初心者講座
グラデーション塗装・シャドウ吹き
エアブラシを使ったグラデーション塗装です。
今回は実際に制作した作品の塗料や塗装です。
まずは、 作品紹介の「ジム」の白部分のグラデーションの実践。
ジムの白部分で使った塗料です。
左からニュートラルグレー、明灰白色、キャラクターホワイト。
全て半光沢。
塗料の調合などは一切していません。濃度の調整だけ。
ジムは実験的な制作で、ザクと共に、なるべく調合とかしないで、
市販の色のみで作るという目的で制作したものです。
以前は制作記もあったのですが、何分、写真の量が膨大だったので
今回のホームページのリニューアルで制作記は削除しました。
まずはニュートラルグレーで全体的に塗装。
下地にグレーのサーフェイサーを吹いています。
次に、端部分を残すように明灰白色でグラデーションをかけます。
ここが最重要部分。
いかに滑らかに色を変えていくかが勝負。
滑らかに色が変わるように塗料濃度を調整。
缶スプレー程度の濃度では綺麗に変えていくのは難しいです。
もっと薄くする必要があります。
端を残すといっても、パーツ側面などの狭い部分だと、
四方全ての端を残してのグラデーションは難しいです。
その場合は、図のように三方のみ残して塗装します。
大事なのは端を残すことではなくて、いかに滑らかに色を変えていくかなので。
ムラになったり不自然な色の変化では意味がないのです。
多少端が残らなくても、ムラがなくて色の変化がキレイな方が出来栄えは良くなります。
最後にキャラクターホワイトでハイライトを付けるような感じでグラデーション。
明灰白色の全てに被せるのではなく、最も白くなる部分をメインという感じで。
端部分は明灰白色が残るような感じ。
図にすると、こんな感じ。
最も大事なのが明灰白色部分。
ここがキレイなグラデーションにならないと滑らかな塗装になりません。
明灰白色からキャラクターホワイトへの変化は色の落差が少ないので、
いい加減な塗料濃度でもそれなりのグラデーションになりますが、
ニュートラルグレーから明灰白色へは色の落差が大きいので塗料濃度が適切でないと
滑らかなグラデーションはムリなのです。
ここさえ上手くいけば、綺麗なグラデーションができるハズです。
次はシャドウ吹きです。
これもグラデーション塗装の一種で、陰になる部分や色を濃くしたい部分に
本体より濃い色を乗せて明暗を強調します。
色は「クシャトリヤ」に使ったピンクとパープル。
これは調合した色なので管理人も配合は覚えていません。
まぁ、写真のような色です。この二種類を使います。
本体をピンクで塗装。
元のパーツの色は青。
ピンクやパープルは「重い色」なので今回はサーフェイサーを吹いていません。
パーツに直接塗装。
重い色については次ページで少し備考をしたいと思います。
本当はちゃんとサーフェイサーを吹かないとダメです。
ホームページ用なので手を抜いているだけです。
写真のように暗くしたい部分をパープルで塗装。
名前の通り、光りの当たらない陰の部分を強調する方法なのですが、
通常のグラデーションとは逆のグラデーションと考えたほうが理解しやすいと思います。
通常のグラデーションでは端を残して塗装しますが
シャドウ吹きでは端を塗装するというような感じで。
これが完成した写真。
上手く塗装すれば通常のグラデーションとは違った感じのグラデーションになります。
ただし、普通のグラデーションと比べて、効果に対しての難易度が高いです。
複雑な形のパーツの場合など、端部分のみ塗装というのは難しく、
塗料の付いてほしくない部分に塗料が掛かったり、
ちょっとしたエアブラシの操作でムラになります。
あまり実用的な塗装とは言えません。
効果を考えると、普通のグラデーションで十分なのですが
通常のグラデーションでは不可能な部分の塗装に使ったりできるのです。
ウェザリングの排気汚れなどの表現もこの一種。
シナンジュのグラデーションはこの方法で塗装しました。
半透明のクリアーレッドは色を重ねて薄くするということが不可能なので
この方法で色を濃くして逆グラデーションを掛けたわけです。
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